ナンに合うドロドロっとしたタイプのインドカレー…
その味を構成する大事な要素が、グレービーというカレーのベースです。
その作り方は各店によって若干違いますが、北インド系カレーであれば玉ねぎとトマトが大量に入って、カシューナッツもたくさん入れるというのが基本となっています。
ものすごく長い時間をかけて材料をしっかりと煮詰めて作る大変な作業です。
そんなグレービー作りなのですが、当店は通常のお店の1.8倍ほどの時間をかけて作り上げます。
1.8倍時間がかかると言っても、当店のカレーベースも途中までは全く一緒の作り方をします。
そして一旦、一般的なインドカレー店では「完成した状態」と判断されるものが出来上がります。
そのベースを使って油やバターを多く使いながら仕上げると一般的なインドカレーが完成するのですが…。
そのカレーは一口目こそ濃厚な印象で美味しく感じますが、食べ進めていくうちに油っこくなり、途中から味が平坦になると考えています。
…それなら油やバターを少なくすれば良いのでは?
実はそう単純な問題ではなく、油やバターをしっかり入れないと、コクに乏しくいまいち味気ないものになってしまいます。
一般的によくあるグレービーで油やバターをしっかりと入れないということは、カレーが美味しくないことにつながってしまいます。
油やバターを控え目にしながらもしっかりとした美味しさのカレーに仕上げるためには…
まずどんな味に仕上げるのか、そのバランスから考えました。
味が平坦に感じるのは既存のインドカレーでは濃すぎて舌が感じ取れない部分があるせいだと考え、そこを落として、逆に足りない味の要素を足す工夫をしました。


足した要素は、具体的には素材から出る自然な甘味や酸味、旨味です。
そして、油が少なくてもしっかりとしたコクを出すために…。
実際に何をしているのかは企業秘密となりますが、その作業の時間もかなり長いものです。
その結果、全工程にかかる合計の時間が、通常のベースの1.8倍ほどになってしまうというわけです。

当店のカレーの「油が多くないのにコクがあり、味に起伏のある美味しさで最後まで食べ飽きにくい」特徴の秘密は、ほぼこのベースが握っています。
それが他の店との違いを生み出しています。
この美味しさが伝わりやすいのは、チキンカレーセットやキーマカレーセットあたりとなります。
尚、たまーにこのカレーは日本っぽいみたいなことを言われるお客様もいらっしゃいますが、日本のカレーというのは小麦粉・バター、もしくはルウに頼りますので、全くそういう作り方はしておりません。
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